コンサルに必要なチカラ
ある講義での話。コンサルタントに必要なチカラは何だろうという話になり、私は「問題発見力」と「伝達力」と答えた。
世の中、いろんなチカラがあるが、今の私に一番フィットしているのが、この二つのチカラだ。
まず、「問題発見力」。課題や問題がどこにあるのかを指摘できるチカラのことだ。実は、課題を解決するチカラより、どこに問題があるのかを探し出す方が能力が必要ではないだろうか?通り一遍の表面的な問題は誰でも指摘できることがあるが、本当の問題、経営者が心の奥底で思っているが口に出せない問題点をつくことができれば、ある意味、コンサルテーションの8割方はすんでいるのかもしれない。もちろん、解決するための具体的な処方は必要だが、それはコンサル個人のチカラだけではなく、周りに助けをもとめればいいこと。でも、本当の問題点を指摘するには経験と努力が必要なんだと思う。
次は「伝達力」。コミュニケーション力というともっと広い概念であるので、ここはあえて伝達力と規定した。つまり、伝える能力と言うことだ。能力と言っても、実はテクニックに近いものとも言える。例えば、箇条書きにするとか、ナンバーリングするとかである。伝達内容に問わず、相手に理解してもらいやすいように伝える能力は簡単なようで実は奥が深い。
出版社と書店員
19日付けの日経MJの記事から。「書店員味方にする出版社」と題して、宝島社のプロモーション戦略が語られている。以下、記事からの抜粋である。
「全国有力書店の社員と書籍の取次担当者を東京に招き、雑誌をつくる印刷現場の見学や、雑誌編集長と対談する場を提供する視察ツアーを開催しているのだ。・・・書店の若手スタッフには女性が多い。そこで「Sweet」など同社の雑誌によく登場するファストファッションの店に案内して、実際に買い物を体験してもらう機会まで用意している。」
なるほどといった内容である。一般の流通対策では別に珍しくもない販売前線でのスタッフへのインセンティヴ策も、出版業界では異例なことになるのだ。それほど、出版業界自体が特殊な業界であり、古い体質を持っていたのかもしれないが、さすが宝島社のマーケティングプロモーション戦略は的を射ていると思う。ある意味、インターナルマーケティング一種かもしれない。販売者が、自社のファンでなければものは売れないということだ。書店店頭でも、書店員に勧められたりしたら、衝動買いなんてあるかもしれないのだ。
マーケティング大賞
日本マーケティング協会が主催している「日本マーケティング大賞」の結果が発表された。第2回目となる今回は、大賞に『角ハイボールのヒット ウイスキー人気復活に向けて』ということでサントリー酒類㈱が選ばれた。また各賞は以下の通り。
■日本マーケティング大賞 奨励賞
『多品種微量生産体制による顧客満足の向上』(東海バネ工業㈱)
『ホンダ「Pianta」による新たな耕うん機市場の創造』(本田技研工業㈱)
『途上国から世界に通用するブランドをつくる』(㈱マザーハウス)
■日本マーケティング大賞 地域賞
『500色の色えんぴつの販売促進』(㈱フェリシモ/関西地区)
『観光特急「海幸山幸」を軸とした観光開発と観光ルートの創造』(九州旅客鉄道㈱/九州地区)
『北海道米のブランド価値向上・消費拡大キャンペーン』(北海道米販売拡大委員会/北海道地区)
◆ ◆ ◆
角ハイボールは、小雪さん主演、ゴスペラーズが歌う「ウイスキーが、お好きでしょ」(ちなみに、この楽曲石川さゆりさんのカバー曲である)でCMでもおなじみであろう。サントリー角というと、私たちの世代では、安ウイスキーというイメージで、コピーライターの仲畑貴志氏のシリーズ広告の印象が強い。私自身も、社会人に成り立ての頃はいちようコピーライターだったので、良く仲畑さんの角のコピーを参考にさせていただいた記憶がある。
そんな角の受賞も、若い層にハイボールという形での訴求が効果を持ち、普及(復活?)につながったといえる。受賞理由には、『成熟市場において新しい価値を提案することで市場の再活性化に成功。「飲み方の提案」から「料飲店とのタイアップ」までトータルなマーケティング活動の秀逸さに加え、ウイスキー全体の売上げ伸長に貢献しマーケティングの可能性を示した好例として高い評価を受けた。』とある。まさにその通りである。サントリーという会社は、広告も秀逸なものが多いが、マーケティング的な面から見てもヒット商品も数多くある。このような広告(プロモーション)とマーケティングが一体化した展開を行える会社は正直我が国には少ない。特に、今回の角ハイボールのプロモーション戦略では、全国の飲食店との連動した動きも大きな位置を占めていたのではないか。そういう私も、昨年ある飲食店で飲み物を注文しようとしたら、店員さんが「角ハイボールはいかがですか?」と早々勧めてきた。もちろん、私はそれでお願いしますということになったのだが、そこまで店頭での活動が徹底されていることの素晴らしさはスゴイの一言である。プロモーションに携わる側からみると、インセンティヴキャンペーンかなにかが行われていたのではないかと想像するにかたくなでない。
マーケティング、奥が深い。もっと、もっと勉強が必要である。
立ってPC
知り合いの事務所に出かけたら、部屋の模様替えが行われていた。部屋の中、APPLEのコンピュータがえらい高い台の上に鎮座していた。部屋の持ち主曰く、いつもはデスク仕事ばかりで、いすに座っていることが多く運動不足になるので、最近は立ってパソコンを操作しているのということだ。なるほど、私も座り仕事が多く、運動不足と言われがちであるが、立ってPCとは!運動をしているわけでもなのであるが、彼曰く、集中できて仕事もはかどると言うことでした。
東京では立ち飲み屋が繁盛しているとのこと。時間も短く、きゅっといって、さっと帰るというパターンには立って杯を交わすのがちょうどいいらしい。最近では、立ち焼き肉屋さんも登場しているとのこと。立って飲食というのは、駅のホームあたりの専売特許だと思っていたが、街にも立ちどころが増えてきているようだ。
他にも、立って会議とか行って、無駄な時間をなくしているという会社もあると聞いた。これからは、立っての時代が来るのかもしれない。でも、立ち仕事である販売スタッフの方には、今更?、せいぜい腰をお大事にというくらいであるかもしれないが・・・
グリーンゾーン見ました
主演マット・デイモン、監督ポール・グリーングラスのコンビによるイラク戦争を題材にした映画である。このコンビは「ボーン・シリーズ」を2作ともにした間柄である。その2作も大変面白かったが、今回の作品もいきつかせないほどの2時間であった。見て損はしない映画である。ストーリーは、イラク戦争終結後、アメリカによる大量破壊兵器を巡ってのもの語りである。結局、兵器を見つけ出すことができなかったが、この映画に描かれているような理由でそうなったとしたら、ブッシュ大統領の判断は(もちろん、それに賛成票をあげたイギリス、日本も含め連合国側すべての国も含めての)、未曾有の大馬鹿もの判断だったと歴史は後世断定するであろう。ただ、それで亡くなったイラク人、アメリカ人の方々の気持ちが癒されるわけではないが。
しかし、こういう映画を見ると、アメリカというのは懐の深い国であるとしみじみ思う。ある意味、自国のミスを披露しているわけであるから、たとえその理由が何だとしても戦争で親しい人を亡くした国民には耐え難い思いを与えるといったことになるであろう。それでも、正義とはなんだ、何のために命をかけて戦場に赴くのか。イラク戦争の後遺症がベトナム戦争のように本格化する前ではあるが、重たいテーマである。
平和ぼけしている日本人(私を含めてであるが)には、しっかりと現場での物語を見据えるいい機会とも言える。普天間の問題が政権を揺るがしているが、本当に現場をみた、理解した上での論争になっているか、疑問の残るところである。個人的な意見は、キャンプシュワブにある程度の設備を移動するのが最もベターか。日米安保の見直し=日本独自の自衛論は、周辺国との関係上、難しいと思う。また、命をかけて守る人がいる以上、彼らの声を最大限尊重しなくてはならないであろう。(シビリアンコントロールを否定するわけではない)
映画としても、歴史のある断面としても大変興味深かった。お時間あったら、損はさせません。
今日、移動中のJRの列車の中に警察官が2名、巡回をしていた。初めて、警察官を見た。電車って、鉄道警察でなかったのか?(もしかしたら、そうだったのかもしれないが、見た目は普通の警察のように見えた)映画を見た後だったので、少し敏感になっていたのだろうか。
原稿
現在、2本の原稿執筆を抱えている。プロットはそれぞれ、ある程度は頭の中にあるのだが、実際書き始めるのが遅くなってしまった。締め切り間際になってしまい、担当者に迷惑かけていないか心配である。
どうして、こうスケジュール通りにいかないのであろうか?個人的には日にちを決めて作業=執筆をする準備はしているのだが、なかなか最初の一文が書けだせない。指南役さんの本にも書いてあったが、とりあえずは原稿に何か書いてみる(今はパソコン上だけど)ことが大事だと。確かに、今回も最初の一文、一行を書き始めたら、それほど苦もなく(時間はかかったが)取りあえずは第1稿は書き上げた。これから何度も修正加筆していくのだが、気分的には第1稿をあげるほど切迫感はない。
わかっているのだが、どうしても1行を書き始めるのが・・・どなたかいい方法はないか教えていただきたいものである。
カレンダー
皆さんはカレンダーは、日曜始まりですか?月曜始まりですか?
実は、今年のカレンダーを購入しようと思って東急ハンズにいったら、バーゲン品があったので何気なしに月曜始まりのものを買ってしまいました。その時はビジネスで使うものだから月曜始まりの方が使い勝手がいいかなと思っていましたが、これが!!!
大変使いにくい、というか曜日を間違えてしまうんですね。つい、左端にあるのは日曜日と視覚的に覚えてしまっているのですね。仕事にあわせて月曜日から考えればいいと気軽に思っていた自分が情けない。でも、実際に月曜日始まりがあるのだから、これがフィットする人もいるんだろうな?でも大多数の人は日曜始まりになれているだと思うんだよね。そうじゃないと言う人に是非聞いてみたい気がします。
つまり、私たちは何気なく視覚的に染みこむように覚えていることって、けっこうあるということ。先日のあるテレビ番組で、突起しているものを見るとつい押したい欲望に駆られるという話をしていた学者さんがいた。「人は見た目が9割」という言葉があるけど、これもこの延長のような気がする。
大学生
現在、大学生に毎週1回講義をする時間がある。とても勉強に熱心な学生さんたちなので、自分の学生時代と比べると頭が下がる思いだ。
でも、感覚的には学生時代にそんなに勉強しててもいいの?もっと遊ぼうよといいたい誘惑もある。モラトリアムなんて言葉は古いかもしれないけど、大学時代というのは知識だけでなく、思想とか、イデオロギーとか、芸術とか、いろいろと感化される時代じゃないかな?
講義にでかける時にすれ違う学生には一部、昔のような遊んでばかりという風体の子たちも見かけるが、概してまじめな子たちが目立つ。そうしないと就職とか、将来的に不安なのかな?自分の時も就職口はなかなか見つからない時代ではあったけど、ここまで追い詰められてたというイメージはない。そういった意味では、少しかわいそう?
でも今の教え子たちは、自分の子どもといってもいい世代の子たちだ。彼らたちがこれからの世の中を作っていくのだから、せめて先輩として、彼らに少しでも助言することができれば幸いである。
見ました!キンドル
地下鉄で電子書籍を見ている人、発見!こっそり降車時にのぞき込んでみると、iPadではなく、Amazonのキンドルのようでした。
まだ、日本語版は発売されていないだろうから、海外取り寄せ品?やるな~、どう見てもPCオタク系(失礼)っぽい男性の方でしたが、注目されますよね。ただ、他にも乗車していたお客さんは多かったのですが、あまり興味を引いているような方はいなかったな・・・
たしか、今でいうスマートフォンが世に出たときなどは、けっこう他人の機器をのぞき込むような人も多かったように思うのですが。
個人的には、興味があるが、どのくらい使えるものになるかは疑問形?でも新たな広告媒体としても面白いかも。
平城遷都1300年祭に行ってきました
今年(2010年)で奈良の平城京に遷都が行われて1300年が経つということで記念イベントが行われています。
平城京といえば、710年(なんと大きな平城京って覚えた記憶があります)元明天皇が遷都した天平文化の中心地ですね。中国唐・長安の都市計画を模して、東西約4.3キロメートル、南北約4.8キロメートルの方形をなし、中央に南北に朱雀大路を通して右京と左京に分けられていました。この頃の教科書では、「へいぜいきょう」とも呼ばれているとのこと。
さて、現場はというと、さすがにオープンしたて+GWということもあり、大変混み合っていました(当然か)。すでに建設されていた朱雀門に加えて大極殿の復元などが今回の目玉となっているようです。会場はだだっぴろく、お年寄りにはちょっとつらい?近鉄西大寺駅から歩いて会場に向かっていたときも、帰り途中のおばあさんが道(歩道も狭く、整備されているとはいいがたい)で転んで、周りの皆さんに助けられていました。会場内には当時の意匠をレンタルで身につけ、回遊している人(女性ばかりが目につきました)もおり、それなりに雰囲気もあったように思います。
一番印象の残ったのは、再現された大極殿越しに東大寺の伽藍が遠くにうっすらと見えたことでした。都の東に位置する寺ということで名付けられた東大寺、まさに当時もこのように見えたのであろうと思うと、歴史のロマンの一端を感じる瞬間でもありました。
奈良には、今回の訪問は約20年ぶりくらいになると思います。興福寺(阿修羅像:あしゅらぞう)、唐招提寺(鑑真)、薬師寺(東塔)、法隆寺(日本は初の世界遺産)、中宮寺(菩薩思惟半跏像)にも足を運んでみましたが、もっと時間をかけて再度きてみたいという気持ちにもなりました。京都の寺社もいいけれど。奈良・斑鳩あたりの建物や仏像は本当に心の奥底まで染み入ってくるという感じがします。
皆さんも是非一度はお出かけになってみたらどうでしょうか?