マーケティング大賞
日本マーケティング協会が主催している「日本マーケティング大賞」の結果が発表された。第2回目となる今回は、大賞に『角ハイボールのヒット ウイスキー人気復活に向けて』ということでサントリー酒類㈱が選ばれた。また各賞は以下の通り。
■日本マーケティング大賞 奨励賞
『多品種微量生産体制による顧客満足の向上』(東海バネ工業㈱)
『ホンダ「Pianta」による新たな耕うん機市場の創造』(本田技研工業㈱)
『途上国から世界に通用するブランドをつくる』(㈱マザーハウス)
■日本マーケティング大賞 地域賞
『500色の色えんぴつの販売促進』(㈱フェリシモ/関西地区)
『観光特急「海幸山幸」を軸とした観光開発と観光ルートの創造』(九州旅客鉄道㈱/九州地区)
『北海道米のブランド価値向上・消費拡大キャンペーン』(北海道米販売拡大委員会/北海道地区)
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角ハイボールは、小雪さん主演、ゴスペラーズが歌う「ウイスキーが、お好きでしょ」(ちなみに、この楽曲石川さゆりさんのカバー曲である)でCMでもおなじみであろう。サントリー角というと、私たちの世代では、安ウイスキーというイメージで、コピーライターの仲畑貴志氏のシリーズ広告の印象が強い。私自身も、社会人に成り立ての頃はいちようコピーライターだったので、良く仲畑さんの角のコピーを参考にさせていただいた記憶がある。
そんな角の受賞も、若い層にハイボールという形での訴求が効果を持ち、普及(復活?)につながったといえる。受賞理由には、『成熟市場において新しい価値を提案することで市場の再活性化に成功。「飲み方の提案」から「料飲店とのタイアップ」までトータルなマーケティング活動の秀逸さに加え、ウイスキー全体の売上げ伸長に貢献しマーケティングの可能性を示した好例として高い評価を受けた。』とある。まさにその通りである。サントリーという会社は、広告も秀逸なものが多いが、マーケティング的な面から見てもヒット商品も数多くある。このような広告(プロモーション)とマーケティングが一体化した展開を行える会社は正直我が国には少ない。特に、今回の角ハイボールのプロモーション戦略では、全国の飲食店との連動した動きも大きな位置を占めていたのではないか。そういう私も、昨年ある飲食店で飲み物を注文しようとしたら、店員さんが「角ハイボールはいかがですか?」と早々勧めてきた。もちろん、私はそれでお願いしますということになったのだが、そこまで店頭での活動が徹底されていることの素晴らしさはスゴイの一言である。プロモーションに携わる側からみると、インセンティヴキャンペーンかなにかが行われていたのではないかと想像するにかたくなでない。
マーケティング、奥が深い。もっと、もっと勉強が必要である。